出汁がゆ

しょーもないねぇ

米の溺死

 

中華粥を炊いた。

 

中華粥のレシピは、米 油 生姜 水 中華だし顆粒 塩 鶏肉。それ以上でもそれ以下でもない。それ以上はあるか。すみません、あります。

 

 

 

米を研ぐ。米を研ぐとき、私は土井善晴先生の言葉を思い出す。

 

「米は水がきれいになるまで洗います、栄養素が流れるなんて、今の時代は栄養なんて米以外の他のものから取れるんですし……(うろ覚え)」

 

素敵な答えをありがとう。土井先生…… そう思いながら適当に研ぎ、水を切った。

 

 

 


鍋に油を入れる。いい塩梅でいい。ごま油とサラダ油、混ぜちゃお。生姜を軽く炒めてから、生米を投入する。炒める。表面が透き通るまで。


ここで米をあらかじめ浸水させなくてよかったのだろうかという不安が頭をよぎった。
しかしもう既に炒めに入っている。今からでもスマホで調べようかと思った。その時だった。

 

おかゆ。これはね、どうせくたくたに煮るんですから、浸水しなくてもええんです』

 

脳内の土井先生が語りかけてきた。……そうだよね。水はさしていけばいいもんね。

 

 


炒めた米の鍋に水を思ったよりも入れ、中華だしと塩、酒、鶏肉をぶち込み、鶏肉に火が通るまで煮る。
鶏肉は火が通ったら取り出し、手でほぐす。

 


うわっ!アッツ!取り出したての鶏肉はホカホカあっついので、水で冷やしながらほぐした。

 

もう旨味が逃げるとかなんも知らね〜〜〜し。 味の素足しちゃえばいいもんね ねぇ?土井先生、ねぇ?

 

『好きにやったらええんとちゃいます?』

 

やります。

 

 


鍋にほぐした肉と味の素を戻す。煮汁が重々の重湯になっていたので、多少水も足した。

米はもうほぼ煮えていたが、これからまた煮る。あと10分は煮る。

 


ーーー

 


10分煮た。
アチアチのおかゆを、器に盛る。


器に盛られたアチアチの中華粥は、食欲をとてもそそられるくらいには、おいしそうだと思った。
しかし、思い返せば私は中華粥を食べたことがない。それ即ち、中華粥の正解がわからないのだ。

 

でもこの出来栄えを見て、陳建一から30点くらいは欲しいと思った。ください。

 

『素晴らしい。まぁ合格点ですわ』

 

脳内の土井先生は合格点をくれた。嬉しい。

 

 


味変に醤油と食べるラー油を用意する。

ここに食感を足すならネギか……ザーサイや高菜などがあったらもっと良かったかもしれない。

 


私の作った中華粥はシンプルだ。一番プレーンなやつである。


もっとなにか具材を用意するべきだったか、そう思ったときだった。
脳内に、また声が響く。

 

『ええんです』

 

えっ……土井先生……

 


『なんでもええんです。おかゆは自由なんですから。美味しく食べてあげるということが、一番なんです』

 

土井先生……

 


『早よ食べてあげなさい。おかゆさんもね、熱いところ食べてもらいたいと思ってますよ』

 

でも熱すぎて火傷するからゆっくり食べたい……

 

『それもまた、自由やね』

 

ありがとうございます……

 

 

 


というわけでめっちゃおかゆ作っちゃったんだけど食べても減らない 

おかゆって増え続けるんですね 今日の学びです

さようなら